頭の中の「声」

”われわれが目覚めるとき、われわれは「声」を聞き始める。しばらくは、その「声」は癖として存続するので、われわれは「声」を支持し続けることになるだろう。だが、その後、ある朝がやってきて、「自分はまさに人間性を超越した至高の存在なのだ」という結論を下すことになる。そのとき、われわれは永遠の叡智に気づき、永遠の存在となるのだ。

では、「魔物」に対して「おまえを通すわけにはいかない。通さないぞ」と言うとき、どうなるのか? 自分の感情が完全になくなり、自分の過去が完全になくなってしまったら、どうなるのか? もはや友人と会話することさえできなくなったら、どうなるのだろうか?(過去が終わってしまったら、)彼らと何を話せばいいのか、あなたにはわからなくなってしまう。というのも、これまであなたが友人たちと話してきたことといったら、パズルのピースを見つけるような断片的な話ばかりだったからだ。これまであなたは、自分が現在かかえている犠牲者意識やトラブル、問題や困難といったものしか話題にしてこなかった。朝起きたら彼らと何も話せなくなっていたら、どうなるのだろうか? あなたは昔に戻って、彼らと同じレベルで話そうとするだろうか? それとも「もはや君と関わることはできない」と言うだろうか? 彼らとの共通の話題は何だろうか? 彼らとの契約は何だろうか?

あなたは自分の周りの人々とどんな話をしているだろうか? われわれは観察者として、それらの話をどのように捨て去ればいいのだろうか? あなたがそれを捨て去るのは、あなたがもはや、人々と交わしている契約に基づいて話せなくなるときである。そして、もはやそうしようとも思わなくなるときである。あなたはそうしたいとは思わなくなる。それによって、あなたは人気者になれるだろうか? おそらくなれないだろう。だが、「魔物」と対決したがる人間がどれほどいるだろうか? それほど多くない・・・”

―ラムサ
日本語書籍「ガンダルフの戦い」より

 

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